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「いいですよ。手を打ちます。動物園、めちゃめちゃ楽しかったから」
「サンキュ。まだ期末まで時間あるから自力で頑張れ」
いや、それは無理な話だ。
わたしは左右に大きく頭を振った。
「無理です。古文の教科書開くと、とたんに眠くなっちゃうんです」
「古文は面白いんだけどな。恋愛ストーリーの宝庫だぞ。それもかなり際どい話が多いよ。まあ、そういうのはあまり授業で取り上げないけど」
「うー、でも、わたしには呪文としか思えない」
先生は腕を組んで、ちょっとの間考えて、それから言った。
「じゃあ、俺が特別レッスンしてやろうか?」
「えっ、ほんとですか」
わたしは思わずテーブルに手をついて、先生のほうに乗り出した。
先生はそんなわたしに柔らかいまなざしを向けた。
「ああ、乗りかかった舟だ。苦手科目から得意科目にしてやるよ。期末までの週末、土日のどっちかで、出勤前なら時間作れるから」
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