エピローグ

4/6
前へ
/85ページ
次へ
 別に禁じられていたわけではなかったけど、両親の手前、先生はみずから門限を決めて、それを守っていたからだ。  そう、わたしたち、この3年はとっても清い関係だった。  キスとハグは数えきれないほどしたけど。  いつも、もっと一緒にいられればと思っていたから、一晩中、過ごせるのが嬉しくて、わたしはついはしゃいでしまう。  先生はそんなわたしを蕩けそうな顔で見守っていてくれる。 「こっちにおいで」  シャワーを浴びてバスルームから出ると、ソファーに腰かけていた先生は、ぽんと隣を叩いた。  わたしが言う通りに座ると、先生は肩に手を回して、わたしを包み込み、そして抱き寄せた。 「心臓、ドキドキしてる」  照れ隠しにそう言って下を向くと、先生はわたしの頬に手を添えて、顔を上げさせた。 「小春……」 「なんか……」 「ん?」 「まだ信じられない。あの、古文の津村先生と付き合ってるなんて」  
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

494人が本棚に入れています
本棚に追加