2・どっちが本物?

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 ぺこっと頭を下げて席に戻ると、親友の植木千春がわたしの額に手をあてた。 「熱、ないんだ。小春が質問なんてするから、マジ驚いたんだけど」 「失礼な。わたしだって、質問ぐらいするよー」 「だって、古文の時間は昼寝タイムだって、いつも言ってるじゃん」  千春とは、入学式の日に、出席番号が隣同士で仲良くなった。  植木と梅谷、千春と小春。  名前が似てると気質も似るのだろうか。  一緒にいてもまったく気を使わないでいられる、ありがたい友だ。  せめて千春にだけは、あの話をして、この感情を共有したい。  でも、テストの欠点阻止がかかってるし。  それに、わたしがうかつにしゃべって大騒ぎになって、先生が首になったりしたら大変。    ああ、言いたい。  けど言えない。  このもやもや状態がずっと続くのかあ。
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