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ぺこっと頭を下げて席に戻ると、親友の植木千春がわたしの額に手をあてた。
「熱、ないんだ。小春が質問なんてするから、マジ驚いたんだけど」
「失礼な。わたしだって、質問ぐらいするよー」
「だって、古文の時間は昼寝タイムだって、いつも言ってるじゃん」
千春とは、入学式の日に、出席番号が隣同士で仲良くなった。
植木と梅谷、千春と小春。
名前が似てると気質も似るのだろうか。
一緒にいてもまったく気を使わないでいられる、ありがたい友だ。
せめて千春にだけは、あの話をして、この感情を共有したい。
でも、テストの欠点阻止がかかってるし。
それに、わたしがうかつにしゃべって大騒ぎになって、先生が首になったりしたら大変。
ああ、言いたい。
けど言えない。
このもやもや状態がずっと続くのかあ。
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