489人が本棚に入れています
本棚に追加
あまりのイケメンぶりに、不覚にもくらっとしてしまう。
もし誰かにふたりでいるところを見られたら、と思っていたけれど、その問題は難なくクリアだ。
今の彼を友達が見ても、まず津村先生と気づかれることはないだろう。
逆に、あの人誰、って激しく追及されそうだけど。
「乗って」
彼は運転席から身体をのばして、助手席のドアを開けてくれた。
「では、おじゃまします」
そう言って乗り込んだとき、ドア枠に思い切り頭をぶつけてしまった。
「痛っ」
そんなわたしを見て、先生はぷっと吹き出す。
「ぶつけるか、普通」
「人の不幸を笑うなんてひどい……」
「ああ、ごめん、ごめん」
そう言って、この間の夜みたいに、またポンポンと頭を撫でる。
「よしよし。痛いの飛んでいけ」
最初のコメントを投稿しよう!