3・デート、ではない?

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  「もう、完全にバカにしてますよね」とふくれっ面になると 「そんなことないよ。可愛いなと思ってね」などとしらっと言ったりする。  ぼっと火がついたようにわたしの顔は赤くなる。  もう、かっこいいバージョンの先生に、臆面もなくそんなことを口にされるとちょっと困るんだけど。  でも先生は、「可愛い」と言ったことも、それを聞いてわたしが顔を赤くしたことも、まーったく気にしていない様子。  完璧にガキ扱い。  なんかちょっと悔しい。  「よし、行くぞ」  先生はエンジンをかけた。  「へっ? どこに?」  「着いてからのお楽しみ」と言って、先生はいたずらっぽく笑みを浮かべた。  その瞬間、はたと気づいた。  先生の秘密が知りたい一心でここまで来ちゃったけど。  このまま、ヤバいところに連れていかれる可能性もゼロではないんだよね。    深く考えずにイケナイ世界に足を踏み入れちゃったってこと、あるかも?
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