464人が本棚に入れています
本棚に追加
/85ページ
それから、園内をぐるぐる回った。
思いのほか、珍しい動物もいて、もうワクワクのし通し。
「お、そうだ。梅谷の仲間に会いに行かないとな」
「どこですか? 女子高生は檻に入ってないと思うけど」
「ほら、あそこ」
そう言って、先生が指差したのはサル山。
サル山って……ひどくない?
「えー、サルですかー。ひどい。花のJKをつかまえて、何言ってるんですか」
と、ふくれっ面になると、先生は微笑んで、また頭をポンポンしてきた。
もー、なんか、ずるい。
そうやってポンポンされるとなんだか気持ちがうわついて、それ以上、文句が言えなくなってしまう。
「でも、可愛いだろ? あの、子ザルたちの群れて遊んでる感じが、どう見ても教室でじゃれ合ってる梅谷たちみたいなんだよな」
先生にそんなふうに見られてたんだ。
子ザル……ガキ以下じゃん。
わたしは心のなかでふーーーーーっと特大のため息をついた。
最初のコメントを投稿しよう!