3・デート、ではない?

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「ごめん、ごめん。ちょっと、からかいすぎたね。実は俺がやりたいことは、教師より、むしろ飲食のほうなんだよ」 「えっ、そうなんですか」 「ああ、ほら、レストランで食事をしている人って、みんな、くつろいでいて楽しそうじゃない。俺も子供のころ、レストランに連れて行ってもらうのが、ものすごくワクワクしてさ。自分も楽しみを提供する側になれればいいなっていう憧れがあったんだ」 「確かに、悲しいときは行くことないかも、レストランには」 「でも親は俺を教師にしたくてね。自分たちも教師だったから。で、子供のころから洗脳され続けたというか、教育大に入るまで、なんの疑問も感じずに自分は教師になるもんだと思ってたんだ」 「でも、ほかにやりたいことがあるなら……」 「うちの親父、俺が小学生のとき、死んだんだよ。母は苦労して俺を育てた。だから母を失望させたくないんだ。でも自分の夢も捨てきれないし……だから、苦肉の策ってとこかな」
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