3・デート、ではない?

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「あのとき、梅谷が幸せそうに見えなかったんだよ。で、つい、お節介してしまったんだ。保身だけを考えれば、声かけないほうがいいってわかってはいたけど」  先生の言葉に、ドキっと、心が反応した。  あのときわたしが嫌がっているのを気づいてくれたんだ。  父も母も田坂さんも気づかなかった(あるいは無視してた)のに。  先生は自分が困るかもしれないことを承知で、わたしのことを優先してくれた…… 「そういう訳だから、誰にも言わずにいてくれると本当に助かるんだけどね」  わたしは先生の目を見て、頷いた。 「わかりました。言いません」 「ありがとう。あ、それともうひとつのほう」 「テストの点数のこと? やっぱりなしですか。その約束」 「この間は成り行きで言っちゃったけど、失言だった。教師としては、それはやっちゃいけないことだなと思いなおした」
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