3・デート、ではない?

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「いいですよ。手を打ちます。動物園、めちゃめちゃ楽しかったから」 「サンキュ。まだ期末まで時間あるから自力で頑張れ」    いや、それは無理な話だ。  わたしは左右に大きく頭を振った。 「無理です。古文の教科書開くと、とたんに眠くなっちゃうんです」 「古文は面白いんだけどな。恋愛ストーリーの宝庫だぞ。それもかなり際どい話が多いよ。まあ、そういうのはあまり授業で取り上げないけど」 「うー、でも、わたしには呪文としか思えない」  先生は腕を組んで、ちょっとの間考えて、それから言った。 「じゃあ、俺が特別レッスンしてやろうか?」 「えっ、ほんとですか」  わたしは思わずテーブルに手をついて、先生のほうに乗り出した。  先生はそんなわたしに柔らかいまなざしを向けた。 「ああ、乗りかかった舟だ。苦手科目から得意科目にしてやるよ。期末までの週末、土日のどっちかで、出勤前なら時間作れるから」  
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