3・デート、ではない?

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 現役高校教師の個人レッスンなんて、そんな有難い話はない。  今、2年だからまだ受験が迫ってるわけではないけど、苦手を潰しておいて損はない。 「ぜひ、お願いします」 「その代わり、ビシバシ扱くぞ。文法を頭に叩き込んでやる」 「ひえっ」 「頑張れるか?」  厳しい言葉とは裏腹に優しい眼差しで見つめられて、わたしはこっくり頷いた。  そう。  実のところ、かなり嬉しかった。  またこうして、学校以外で先生と会う約束をできたことが。
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