4・モヤモヤの正体

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「よし、じゃあ、この問題やってみて。わからない単語は後でチェックできるように〇をつけて」 「はーい」  終わったと言うと「見せてみ」と言って、問題用紙を受け取った。 「全滅かと思ったけど、丸もあるな」 「そりゃあ、多少は」  丸つけを終えると先生は時計に目をやり、立ち上がった。 「そろそろ時間だから行くよ」  わたしも立ち上がり、ありがとうございました、と頭を下げたら「がんばれよ」とまたぽんぽんする先生。  見上げると目が合う。  もう、はじめのときみたいにドキドキはしない。  というか、逆にちょっと切ない。  だって、おまえはただのガキって、態度で示されてるみたいで。
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