4・モヤモヤの正体

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 国語が得意で、いつも30点は差をつけていた千春が、謎の物体でも見るかのような目で、その答案を凝視している。 「そ、それは補習したくない一心で、頑張ったんだよ」  千春はそんな言い分、これっぽっちも信じてない顔をして、わたしの目をじっと見た。 「わかった。あの日からだ。小春が謎の行動をとるようになったのは。突然、ツム先のところに質問に行ったときから」  ばくんと、心臓がはねる。  だから鋭いんだってば、千春は。  千春はわたしに顔を寄せ「惚れたの? ツム先に」と囁いた。 「ほ、惚れてなんかないよー」 「その言い方、ますます怪しい」 「なんでわたしがツム先なんかに」 「それがさぁ、最近、陰で人気あるらしいよ。眼鏡外すと美形だとかなんとか言い出したやつがいて」
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