5・会いたくて

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 結局、読む気になれず、床に置いて、そのまま寝てしまった。    それでも、次の日から、少しずつ読み進めてみたら先生が言っていたように確かに面白い。  現代語訳に頼りながらも、なんとか10日ほどで読み通せた。  おとぎ話のかぐや姫ではカットされている、求婚する貴公子たちや、唯一、心を通わせた帝の話は知らなかった。  貴公子たちが妙に人間臭くて面白い。  はじめからズルする人もいて、昔の人も今とあんまり変わらないんだと思った。  そして、かぐや姫が月に帰るラスト。  天の衣を身に着けたら、地上でのことはすべて忘れてしまうと知って、かぐや姫が最後に帝に手紙をしたためて別れを惜しむ場面では、きゅーっと胸が痛くなるほど切なくなった。  知らなかった。  かぐや姫も叶わぬ恋をしていたなんて。    古典、面白いかも。  わたしはそんな感想のメールを先生に送った。  するとすぐ、返信のメールが来た。
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