5・会いたくて

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 返事をくれないのは、これ以上、個人的な付き合いをする気はないという先生の意思表示なんだ、と。  諦めなきゃ、すっぱり。  でも、翌日になると、また違う気持ちが沸き上がる。  動物園でも、カフェで勉強していたときも、確かに心が通う瞬間があった。  ぜったい、勘違いじゃなかった。  だめだ。  このままじゃ、宿題も何も手がつかないまま、夏休みが終わっちゃう。  やっぱり、先生に直接、会いに行かなきゃ。  そして、好きだって言おう。  振られたら、もちろん悲しいけど、少なくとも、この宙ぶらりん状態からは抜け出せる。  今日は土曜日。  今、家を出れば、ちょうど先生の出勤時間ぐらいに着くだろう。  わたしは一番気に入っているワンピースに着替え、急いで家を出た。 ***  予想どおり、出勤する先生の姿を捉えることはできた。  でも結局、想いは伝えられなかった。  
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