都市伝説に変人転校生が食いついた!?

5/10
前へ
/23ページ
次へ
「ええっと……京極、もしかして今、オレらに喋りかけてる?」    目をぱちくりさせて尋ねている悠馬も、海斗と似たような考えを京極蓮に抱いていたのだろう。  京極蓮は、悠馬をスルーして、くるりと海斗に向き直り「あの有名な高瀬一が語る都市伝説とは興味深い。それで、君たちが通うダンススタジオの鏡は、何か特徴があるのかい? 材質が違うとか、他のスタジオに比べて大きい、あるいは小さいのような」と、質問してきた。 「え……特にないと思うけど。しいて言うなら古い、かな。うちのダンス教室は今年で30周年だし」 「なるほど」 「ちょいちょい京極君、今わざとオレを無視したっしょ。つか、京極ってよく見るとまつ毛長ぇ~」と、強引に悠馬が会話に割り込むも…… 「で、君たちのダンススタジオは見学会をしているかい?」と、京極蓮はまたもやスルーして海斗に聞く。 「まあ。体験は予約が必要だけど、見学はいつでも自由だったはず」 「また無視かーい。なあなあ、そのベレー帽ってどこで売ってんの? つか、お前誰かに似てね? 誰だっけなー」 「それで林君、次の君のレッスン日はいつかい?」 「今日の放課後だけど」 「もはやオレいないことになってるし。放置プレイに目覚めるよ?」 「ちょうどいい。検証してみようじゃないか」  そんな調子で京極蓮はさっそく見学にやってきたのだった。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加