桜を嫌う僕に小さな贈り物

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 「まあそう言うな。今日から少しの間だが桜は慎吾と一緒に暮らす事になる。高性能つってもまだ試験運用期間中だから、今日が木曜だし日曜日の夜にでも桜を迎えにくるよ」  「てことでよろしくね、慎吾」  桜はニコニコ笑ってはいるが……  「俺が学校行く間、桜はどうするんだよ親父」  「心配しなくてもいいぞー。桜もわずかな間だが転入手続はもう済ませてあるんだ」  えらく用意周到だな。あ、そう言えば今朝は桜制服姿だったもんな。なるほど。そういうことか。  「じゃあ、パパはまだ仕事があるから戻るぞ。何か困ったら桜に聞いてくれたらいいから。あ、ちなみにあれは桜用の荷物だ。中身は桜と一緒に確認したらいいさ。あでゅー」  玄関の近くに置きっぱなしにされている荷物のダンボールに指を指して言うだけ言うとはははと笑いながら親父は職場へと戻って行った。  残された桜と俺はどうしろと……。こうして俺は桜の満開の時期に大切な彼女と別れて、桜の満開の時期に桜とゆう名前の女の子(高性能アンドロイド)に俺は出会った――  「えっと、中身確認するか?」  「うん、そうね。服とか入ってるし」  そっか。数日とは言え家に寝泊まりするんだもんな。服とかあるか。じゃあ、俺が一緒に中身確認したらやばくないか? 下着とかあるんだろ? そもそもアンドロイドって……寝るのか? 風呂どうするんだ? わからん。  「ん、これは?」  なんかゼリーチューブ飲料みたいなやつがあるな。  「ああ、それね? あたしのエネルギー源みたいなもの。まあ慎吾からしたらあたしのご飯ってやつかな」  これを飲むのか。あれ、もしかしてトイレもするのか? まさかな。  「あ、あと入ってるのは服とかかな。ん、これは……」  「あ、ちょっとっ! それはいい!」  と、桜はバッと俺が拾うとしたのをひったくり取り、何枚かも取ってすぐに隠そうとしたのでわかった。下着類だったんだな。危なかった。俺まで平手打ちはごめんだ。  「お風呂とかはどうするんだ? 入れるのか?」  「入れるわよ。でも、慎吾が洗ってくれるんでしょ?」  「え?! いや、自分で洗わないのか?」  つうか羞恥心あるんだろ? 男の俺と入るのは恥ずかしくないのか。色々やばいだろ。それにお風呂に入れるアンドロイドてのに驚きだ。  「いつも職員の人に洗ってもらってたもの」  いやいや。だからってアンドロイドといえ、ここまで普通の女の子にしか見えないのに一緒に入るのは……
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