桜を嫌う僕に小さな贈り物

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 で、結局どうしたかと言うと……  「すっごくやばくないか」  「何がよ。早く洗って」  いやいや少しはロボットつうか機械っぽいのを想像していたが本当にどこもかしこも全て、まんま肌とかが女の子そのものじゃないか。胸とか胸とか……  どういう作りしてんだ。やっぱり一緒に入るのはやばいだろ。スリーサイズ聞かれるのと下着見られるのは恥ずかしいのに裸は大丈夫なのか。謎だ。ちょっとおかしい。思考回路の故障か?  それに脱衣所で服脱ぐ時下着見えたし。つうか羞恥心まぢどこいったよ。いや、ほんと。  「い、痛かったら言えよ……」  ちなみに俺の下はタオルで隠してる。当たり前だ。しかし、桜は丸裸だ。だからやばい。優しく優しく泡立てたスポンジで洗えば良いかな。意識しないように意識しないようにっと……ああ、やばいやばい。  ゴシゴシッと。  「痛くないか?」  「ん。大丈夫。優しくしてるのわかるから」  「さ、さすがに前は自分で洗えるだろ?」  「何を言ってるの? 前も洗って」  まじで全部洗うのか。普通に胸もお尻も下の方も前も後ろも洗うと見えてるんだけど。これはセクハラじゃないよな。  ******  結局前も後ろもお尻もと全部を洗ってあげた。 意識しないように精神がやばかった。  「いい湯だったわー」  「それは良かった……」  なんか疲れた。俺は部屋着だが桜はヒヨコ柄模様で黄色なデザインの可愛い柄のパジャマに着替えている。一つの湯に二人で入るのは意外に狭かった。  「慎吾はどこで寝てるの?」  「普通に自分の部屋かな」  「じゃあ、あたしも慎吾の部屋で一緒に寝るね」  甘えん坊か。  「親父の部屋で寝ないのか?」  「あたし・慎吾の部屋で・寝るの」  決定事項か。  お風呂から上がるとテレビでも見ながら時間潰して就寝することに……桜はアンドロイドだがドラマ番組に釘付けで見入ってた。特に恋愛でキスシーンを。どうみてもやっぱり女の子だな、本当に。高性能アンドロイド凄い。  「じゃあ、布団を敷いたここで俺は寝るから桜はベッド使いなよ」  「うん。わかったわ。おやすみ慎吾」  アンドロイドて自分で寝て自分で起きるのか。 高性能過ぎて驚きだ。
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