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Side B - 加藤奏
昔から自分に自信がなかった。
顔が可愛くもなければ性格が明るいわけでもない。人と話すのが苦手で友だちもいない。勉強も運動も得意ではない。
自分が大嫌いだった。
それでも人並みに好きな人はいた。
もちろんその恋が実ることは1度たりともなかったが。
今回の恋もそうだと内心諦めていたところに、あの出来事が起こった。
両親が交通事故で亡くなったのだ。
一人っ子の私は1日にして天涯孤独となってしまった。
しかし、今となってはその悲劇も両親が命をかけて私にくれたチャンスだったのだと思える。
両親が遺してくれた遺産と2人分の生命保険金のおかげで、私は今の幸せを手に入れることができたのだから。
私の手元に入ってきたお金は、贅沢をしなければ数十年は働かずに暮らせるほどだった。
とはいえ、お金では私の孤独感は癒せるはずもない。
私の孤独感を癒してくれるのは彼だけだった。
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