聖武天皇

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聖武天皇

神亀元年2月4日 (724年3月3日) 首皇子は、 晴れて聖武天皇として即位。 初めての、 藤原氏を母とする天皇が誕生した。 首皇子が7歳で 父文武天皇が崩御して以来17年 藤原氏一族が 待ち焦がれていた即位では なかっただろうか。 しかし、 その喜びの席に 母である宮子の姿はなかった。 首皇子(聖武天皇)を出産後 現在でいう 重度の“うつ病”になっていたといわれ 息子と会うことすらなかったという。 ようやく、病気が快癒し 息子聖武天皇と会えたのは、 37歳になってからだという。 聖武天皇は、 天武天皇と持統天皇の血を引く 直系とは言え、 非皇族の母を持つ皇子の即位は 異例として捉えられており、 権力基盤は 決して安定したものではなかった。 その上、 母より受け継いだであろう 精神的な弱さ、 父文武天皇も 長年の近親婚の結果か 短命であり、 天皇に即位した喜びより、 その肩に掛かる重圧の方が 大きかったのかもしれない。 しかも、 聖武天皇の後宮は、 光明皇后を含めた5人全員が 藤原不比等・県犬養三千代の いずれかの血縁の者であり、 まさに、 藤原氏に絡め取られた天皇 尻に引かれた状態ともいえ それが、 コンプレックスになっていた とも言われる。 そのような中で、 私(元正上皇)は、 少しでも力になればと 公の詔の中でとはいえ 「我子」と呼び 新天皇を励ました。 そのことを、彼は、 どのように感じていたのだろうか。
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