不思議な石

2/5
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
私の名前は『紗月(さつき)』、静岡の県立高校で演劇部に所属する高校3年生の女子だ。 私には同級生で同じ演劇部に所属する『湊海(みなみ)』という女子の親友がいる。 湊海と私はとても仲が良くて、学校内だけでなくプライベートでも一緒に買い物したり遊んだりする仲だ。 私は演劇部で舞台に上がる時、とても緊張してしまい、よく本番で台詞を間違えてしまう。 まったく演劇に向いていないと思う私だけれど、演劇は好きで女優に憧れているということもあり、諦めずに演劇部を続けている。 演劇部は9月の学園祭で公演を行うけれど、この公演を最後に私達3年生は引退する。 夏休みが終わって学園祭に向けての演劇部の練習は厳しさを増し、私は高校生活最後の演劇部の舞台ということもあり、日増しに緊張感が増していくばかりだった。 そんなある日、湊海が、 「紗月、この石は特別な石で父がブラジルから持ち帰ったのよ!  この石を両手でしっかり握りしめて1分間目をつむると緊張がほぐれるんだよ!」 と言って私に石を手渡してくれた。 石は卵のような形で表面はすべすべしていて、湊海が言うように確かに珍しい色をしている石のように感じた。 私が、 「ありがとう」 と言うと湊海が、 「学園祭の公演の前に試してみてね!」 と言ってきたので私は、 「うん、試してみる!」 と答えた。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!