34人が本棚に入れています
本棚に追加
「弥夜、今日はごめんな?」
「ううん、僕は大丈夫。
今日は紫愛と一緒に居てあげて」
俺が謝ると、弥夜は笑顔でそう言ってくれた。
そんな弥夜を見ても、俺の胸は苦しくなる。
本当の両親をすでに亡くしている弥夜だって、本当はまだまだ甘えたい筈なんだ。
けど、弥夜はいつも紫愛の事を優先して自分の事は後回しにする。こうして欲しい、ああして欲しい、なんて言葉は聞いた事なくて、ワガママらしいワガママを俺は一度も聞いた事がないんだ。
俺、ちゃんと父親……やれてんのか?
不意に、俺の心にそんな不安が生まれた。
父親としての自信が、急になくなってしまう。
そしてこの事がキッカケで、俺は子供達を傷付けしまう事になるんだ。
……
…………。
最初のコメントを投稿しよう!