番外編①紫夕side(6)

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翌日。 俺は(あおい)との付き合いに、正式に断りを入れた。 司令官から色々うるさく言われる事も覚悟していたが、そこは(あおい)が上手く話してくれたようで、何とか丸く収まっていた。 それから……。 俺はもう、隠す事をやめた。 物置きにしまっていた(ゆき)関係の物を出して、写真も写真立てに入れて、俺の部屋だけではなく家の色んな場所に飾った。 そして、紫愛(シア)の前でも(ゆき)の名前を口にしたり、昔の話も、少しずつ……紫愛(シア)の成長に合わせて、話してやる事にした。 俺と出逢い、暮らし、一緒に仕事をしていた事。 その中で、互いに大切な存在だと気付いて、愛を育んでいった事。 それから……、……。 「紫愛(シア)の母ちゃんはな、綺麗な綺麗な真っ白い(ドラゴン)なんだ」 「どら……ごん?」 「ああ。 でもな、それは俺達家族だけの秘密なんだ」 「ひみつ?」 「ああ、内緒の話だ。 誰にも言っちゃいけない。約束出来るな?」 「……やくそくまもったら、ママにあえる?」 「ああ。きっと、いつか会える。 ーーいや、会いに行こう。この世界を、母ちゃんと暮らせる世界に変えて!」 「うんっ……!!」 「一緒に生きようと」誓い合った初デートの場所で、今度は娘と一緒に夕陽を眺めながら俺は約束した。 …… …………(ゆき)、ごめんな? お前の事を紫愛(シア)に話さないなんて、俺には無理だった。 けどさ、もう一つの約束は死んでも守るから、許してくれ。 俺は、例え紫愛(シア)がいつか自分の血に戸惑う日が来ても……。全力で支えて、前に進める世の中を創る。約束する。 それに、そんな世の中が来たらさ? もしかしたら、また、お前と一緒に暮らせる……そんな未来が来る気がするんだ。 なぁ、それくらい、夢見ててもいいだろ? そう心の中で問い掛ける俺の左手の薬指には、もう二度と外す事のない三日月のシルバーリングがはまっている。 …… …………。 番外編 ①紫夕(しゆう)side ー終わりー
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