番外編②風磨side

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(たちばな)さんは僕に色んな事を教えてくれた。 自分の研究の事、これからの自分の計画や理想……。それから、自分の大切な人が"ある男"に奪われた事。 そして、その"ある男"に僕の父が(そそのか)されていた事も……。 つまり、僕の父の死の真の原因にもその"ある男"が絡んでいたのだ。 その男の名前は、望月(もちづき) 三月(みづき)。 その男は、(たちばな)さんから大切な人を奪っただけではなく、僕の父の命まで奪った。 そして、あろう事か……。その三月(みづき)の息子は、僕に模擬試験で恥をかかせた男。望月(もちづき) 紫夕(しゆう)だった。 親子揃って、鬱陶(うっとお)しいーー。 紫夕(しゆう)はその後も、(たちばな)さんにとっても僕にとっても、目の上のタンコブだった。 守護神(ガーディアン)の隊員のクセに何かと(たちばな)さんに盾突き、計画が上手く回らない時もあったっけな。普段はチャラチャラしたダラシのない男なのに、みんなノリに騙されて……。 そうそう。せっかく僕の仲間にしてやろうと声を掛けてやったのに、やたら紫夕(しゆう)の肩を持つ赤毛の男が居たから、ムカついて任務に紛れて消してやった事もあった。 その時、(たちばな)さんが言ってくれたんだ。 「危険な事はするな。今はまだ時ではない。 いいか。私は君が心配なんだ」……って。 嬉しかったなぁ。 (たちばな)さんは僕と、僕の未来の心配をしてくれた。 だから、紫夕(しゆう)が僕よりも先に特殊部隊の隊長になった時も、我慢する事が出来たんだ。 耐えて耐えて。 耐えて耐えて、耐え抜いて……。 何年も何年も、月日が過ぎた。 けれど、運命は動き出した。 僕は見付けたんだ。 (たちばな)さんに昔写真を見せてもらって、一目で目を奪われたあの人によく似た子を……。 真白(ましろ) (ゆき)ーー。 その子はなんと、僕が一目惚れした人型魔物と(たちばな)さんの子供だった。 欲しい。 欲しい、欲しい……。 欲しい、欲しい、欲しい!あの子が欲しい!! 高まる興奮と欲で、下着を濡らしたのは初めてだった。
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