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「貴方の意志は、僕が継ぎます。
安心して、傍で見守っていて下さいね?」
一緒に、行きましょうーー?
僕は、風乱で橘さんの首を狩って持ち運べるよう小くすると……。その首とアタッシュケースを持って、隠し通路から研究所を脱出した。
……
…………。
……
…………それから。
すぐに橘さんのように大きな研究所を持てる訳はなかったけど、僕はひっそりと構えた自分のアジトで研究を始めた。
橘さんの元で日々学んだ事を思い出しながら、どうしたら、自分にしか出来ない形でその成果を出せるか考えた。
そして、見付けたんだ。
……
…………。
「風磨が戻って来てくれて、本当に良かったわ!お父さんも、絶対に喜んでる。
さ、明日は杏華の結婚を一緒に祝いましょう!」
「うん。そうだね、母さん」
暫く音沙汰がなかった僕の帰宅を、母親は喜んで受け入れてくれた。
杏華も……。母の為ならば、と、以前僕がした恐慌を許してくれた。
本当に優しい、良い妹だ。
そんな妹に、僕は心から思った。
「生きていてくれてありがとう、花嫁さん」
翌日の結婚式を控えて幸せそうに微笑む妹を見て、僕も幸せな未来を想像して微笑んでいた。
……
…………。
終わらない。
まだまだ、ここから始まるんだ。
番外編②風磨sideー終わりー
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