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会社帰り、夜空を見たら
日付をまたいでビルを出る
誰もいない駐車場
終わりの見えない作業のゆくえ
心がつぶされそうになる
湿気が鼻孔をくすぐった
はじめて知った春の訪れ
明かりがかすみを照らすから
一等星らが寂しそう
さよなら王者オリオンよ
しし座におとめ座こんばんは
天のまんなか見上げれば
ひっくり返った北斗七星
四十光年の巨大な柄杓
腕を伸ばして柄をつかもう
両手で握って一回転
宇宙のエキスをすくいだす
誰もいないアスファルト
キラキラダンスで暴れだす
春の宇宙をかきまわせ
グルグルグルグルかきまわせ
宇宙をユラユラかきまわせ
巨大な柄杓でかまわせ
地上の春をかきまわせ
北斗七星でかきまわせ
私の腕でかきまわせ
みんなで一緒にかきまわせ
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