forget me not

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 掃除が終わり、荷物をまとめていると窓の外を仲良く歩く二人組が通った。 「いいな……」  その言葉は思わず口から出たと言う感じで、さくらは思わず口を抑える。しかしそれを見逃さなかったのが、ミーだった。 『さくらもああなりたい?』 「……なんのこと?」 『……さっきのは心の声よ。自分じゃ気がついていなかったかもしれないけど、あなたはずっとそう思ってたんだわ』  さくらは眉をしかめる。 「なんのこと言ってんのか分かんない」 『分からないなら分からないでいいわ。それでも私はあなたの願いを叶えなければいけない。私たち花の妖精には見えているの。さくらの心のなかにある願いが分かるの。……あの、勿忘草の花言葉は真実の友情よ』  ミーはそう言うと、教室を出ていった。さくらはミーに出会い、うすうす気づきはじめていた。でもそれはもしかしたらそうなのかもと思っているだけで、完全に気づいたわけじゃなかった。  しかし、今になりさくらは自分の気持ちに気づくことが出来た。  さくらは大きな声で叫ぶ。 「ミー!」 『さくら?』  ミーの声がした。教室から出た廊下の隅にミーはいた。ミーはさくらに気づき、飛んでくる。  さくらは意を決して叫ぶ。 (私の強い願いは) 「お願い。 私に一生の友達と出会う機会を下さい。男の子でも女の子でもいい。年上でも年下でもいいから、話しかける勇気をください」 『願いを聞き遂げました、 さくら』  そう言うとミーは胸の前で手を合わせ、徐々に透明になり終いには消えてしまった。
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