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ゆっくりと白い光に近づいていく。 近づくほどにそれは大きく、眩しくなった。 どこからともなく聞き覚えのある声がする。 『これが、最後の扉だ。』 目の前には白い小さな扉が一つ。 これを開ければ、本当に目が覚めるのだろうか。 『目が覚めたら君は何がしたい?』 「何がしたいか…わからない。 けれど、何でもしたい。 まだ眠る前のことは思い出せないけど いろいろな道を歩きたいし 心地の良い音を聞いたり たくさんの光を見たい。 たとえまた暗闇にのまれようとも 今ならきっと前に進める気がするんだ。 そこがどんな世界だろうと。」 『また苦しい思いをするかもしれないぞ。』 「良いんだ、それでも。」 『望むものを一つ与えよう、何が欲しい?』 「そうだな…。 何よりも、あたたかくて優しい声に包まれたい。」 『わかった。』 白い小さな扉はゆっくりと開いた。 眩い光が僕を包み込んだ。
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