好きにならないでね

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若葉が凄く怒ってる。そもそも私がうろちょろしてじっとしていればよかったのに動いたのもあって悪かったなって思うし、けど、若葉にも原因があるし、これってもう修羅場じゃん? 男に掴まれた手首は痛いし、若葉がここまで冷淡で冷たく言い放つと思ってなかった。 本当、私って最近ついてないのかもしれない。変な人に話しかけられる事が多過ぎるんだもん。 ららが言うには“モテ期トゥライ”ってふざけてノリで言うてたけどあの事は若葉は知らないだろうから───……。 この甘い考えがいけなかった。これからどうなるかってことを。 駅の中で歩いてる人が『え?何?、どうしたの?』とか『もしかしてナンパされた彼女を彼氏が守ってんの?』とか『あの子みたいな地味な女が彼女じゃないでしょ』とか、周りがざわついて駅員さんもそれに気がついて、若葉が…… 「駅員さ──ん、こっちで──す!!この男の人が色んな人にちょっかい出してナンパしてきてまーす。」 と、言った若葉に私は目を見開く。その男も目を見開いてアタフタする。 「お、お前っ……な、なに何言ってんだよ!!誤解招く様な言い方すんなよ!!ナンパしてねぇよ!!姉ちゃんがこの商品が可愛いって言ったから俺も可愛いって言ったんだよ!!」 その言葉にチラっと男に目を向けて、 「へぇー、うちの子のせいにするんだ?この子はただ商品見てただけであんたみたいな知らない奴にに話しかけられて怖い思いしてるのに、駅員さんを呼べばさっきの行動と言うてることが矛盾し過ぎてねぇか?もうさ、素直にナンパしてるって言えない?こっちはこの子の腰に手を回してる動画もとってる」 その動画をその男に見せる。すると、その男の顔はみるみると顔が青ざめていく。 「これのどこが勘違いなのか知りたい所だわ。大人になりにつれて人間って言うのは、嘘をついて怒られたくないからしてる事をしてないと嘘をつく。でも、ちゃんと人の事を見てる人嘘をついてるかついてないかの判断は出来る。だけど、そういう人は中々いないんだよね。そういう所俺は嫌いなんだけど、おっさん、大事になりたくないなら素直にしてますっていわなきゃこれ警察沙汰だよ?証拠あるし俺が警察に言えばあんた捕まるしあんたもみたんだからさ……で、どうなのよ?」 怪しげにニヤリと男を見る若葉。 「…………う……しました」 「偉いね、ちゃんと認めるんだね。そうでなくちゃね」 「消してくれるのか」 「ん───??さあ?」 若葉が、駅員さんを呼んでからその男と話し合いになり若葉が事情説明をして私も状況を説明した。 まさか、こんなに大事になると思ってなかった。若葉は……本当に私にとっての頼りになる人だなって思う。助けて欲しい時に助けてくれる。だけど、それに対して若葉に甘え過ぎてんのかな?ってふと思う。 若葉は、本当に素敵でカッコ良くて女子にモテるのも今まで付き合ってきて女が今でもなお若葉を追いかける理由がわかる。こんなに大事にさせたのも全部私のせい……。俯ぎ加減でいると若葉がチラっとみてきて、 「どうしたの?」 と、さっきと違って温かい言い方。
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