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「副員長だけ集まる時だってあるのよ」
「ってことは、若葉と2人か~。でも、俺とあいつそこまで仲良くないから挨拶程度で終わるんじゃないの~」
教室に戻ろうとローカを歩いていたら、見覚えのある姿に目がいく。
「翼?」
百合も健太も立ち止まってあたしの視線を辿って奴を見る。
若葉も此方に気づいて冷めた目付きであたしたちを見下ろしていた。
いや……待って……。
あたしだけに目を向けられてる?
全身から凍りつきそうなぐらい身動きが取れなくて頬に伝う冷や汗が止めどなく溢れてくる。
「ずっと見るのやめなさいよ」
「!」
1人の女があたしに言葉を投げ捨てる。
「え、なに?無視とかありえなーい」
「てめ~」
「健太」
「翼?」
「あたしなら大丈夫。
もう、慣れてるから」
「「!!」」
あたしは、3人の間を通り抜けて背を向けたまま歩きだした。
「なにあれ、感じ悪っ」
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