好きにならないでね

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「本当、困っちゃうねー家まで来るなんて……。翼と凄く仲良くしてるんだねぇ。でも、もう二度と来ないでね?女子ってさー、ちょっと優しくすると、直ぐ好きだとか言うじゃん。そんで冷たくすると直ぐヘラるじゃん?学校内だけでもクソ面倒なのに外に出てもこんなんじゃあ、苦痛通り越して地獄なんだよね。さっきも学校でもちょっと目が合っただけで過剰反応してたから、一応、忠告」 「…………」 マンションまで来た事に、すっごく怒ってる若葉。若葉が大抵わ満面な笑みに冷めた目を向ける時は怒ってる。怒ってるを通り越して普段の隙もなく淡々とした冷たい口調だ。 『家族ぶってんの?』 「「え?!」」 チラッと若葉は女子を見下して、 『家族いないのに家族きどり?』 フッと笑みを浮かべたけど、その笑顔に違和感を感じて、 『まじキモ』 口端をニヤリとあげる 「それ、こっちの台詞なんだわ」 一瞬で、真顔になる若葉。 目を大きく見開いてスタスタの女子の方へ向かう。 「キモイのはストーカーしてるあんた達で根掘り葉掘り探ってるあんた達の方なんだわ。あんた達からして俺や翼をどういう目で見てるか知らねぇけど、軽々とそんな事言わないでくれる?“家族きどり”とかマジでないんだわ。こっちは本気で家族として居てるから何も言わないで欲しいんだよねぇ。……とっとと、失せな」 ジロっとさっきよりも冷めた目で女子をみると、ダッと走り去って行った。 「ったく、お前は本当、変な奴ばっかにたかれるな」 「……ごめんなさい……」 「?、何に謝ってんの?」 俯き加減で若葉に言う。 「はぁ……クラス馴染み会した後、私は何してるんだろう……明日からどうしようかな……」 「何を」 マンションの中に入る私達。私は腰が重い。 「この流れ、絶対私またクラスにハブられるじゃん」 「させねーよ、俺がずっと一緒にいる。離れんなよ」 そう言い残して、若葉はマンションの部屋に入って行った。
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