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「ねぇ、若葉、ライン教えてよぉ。前は教えるって言ってくれたじゃーん」
クラス中で噂で流さてる空気感の間にスッと教室に入ってきた髪をゆるふわに巻いてるロングの女子生徒が椅子に座ってる若葉の背後から抱きつく。
「あー、また面倒いのがきたよ」
「らら!!」
「えー、事実じゃん。あんた誰」
不機嫌全開ならら。
女生徒は私とららに目を向けて、
「あんた達と話してるんじゃないのぉ。若葉に話してるの。私に若葉に彼女いても連絡先教えるって言ってくれたんだから」
私もららも、若葉をみる。
「……はぁ、俺、そんな事一言も言った覚えがないんだが?」
気だるそうに答える。
「すっごいね。若葉に対してあの手この手使う女子今まで見てきたけど、堂々と翼ちゃんの前で嘘つくんだね。翼ちゃん、安心してね。俺、若葉とずっと一緒に行動してるけど、ただぶつかって一目惚れして勝手に連絡教えてってなってんの。だから、気にしなくていいよ。おもんない嘘つくんだねー困るわ」
ふっと笑みをみせて黒羽くんと目を合わせる。黒羽くんも同じ様に微笑む。
「ふふふ、まぁ、確かに言ってないけど一目惚れしたのは間違いないし彼女いてもいいから教えて欲しいの」
バン!と机を叩く。
スッと後ろを向いて、
「却下。誰が教えるんだよ、翼の前で傷つける事言わないでくれる?」
「若葉っ!私は大丈夫だから!」
「……いい子ちゃん気取りぃ?若葉はみんなのなんだよ。独り占めしようとしないでとっとと別れなさいよ」
耳元で囁かれて女子生徒は教室から出ていった。
「ホントなに、あの女!ムカつく!翼ちゃん大丈夫!?」
「おー、ホント女子ってこわっ。若葉はモテモテで大変だねー」
「あんの、女、次きたらまじで許さないからね!けちょんけちょんにしてやるんだから!!」
「私は、本当に大丈夫だよ。若葉は昔からモテるの知ってるからさ。ホント黒羽くんが言ったようにモテる男はホント大変だねー」
「お前……」
はぁ、ため息ついて頭をポンと撫でて
「俺が守るから。安心しなさい」
「からかうのやめてよー!!」
「からかってねぇし」
この4人といると、ホント救われる。
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