好きにならないでね

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「翼、帰るぞ」 鞄を持って教室を後にして学校の門を後にしていつもの道を歩く。 駅につくと、若葉が横を振り向いてきて、 「寄り道したい所があるからここで待っててくんない?」 「寄り道?珍しいじゃん。若葉がそういう事いうの。」 「…………」 目を逸らす。 ん?? 怪しい……。なに、凄く怪しいんだけど。もしかして、誰かと待ち合わせしてるの?それで私を駅の中で待たせるって事?それとも、何か買いたい物あるのかな?じーっと疑う目で見てるとパッと目が合う。 「人と待ち合わせじゃねぇから。」 鋭い……この洞察力……私が考えてる事、若葉にお見通しだなんて…… 「とりあえず、待ってて」 「ラジャー」 振り返って2歩、歩くと振り向いて私の所へ近づいてくる。 「どうしたの?」 「…………変な男について行ったらダメだからね。声掛けられても無視して。直ぐ戻ってくるから」 「私なら、大丈夫だよ。若葉がどんな風に私を見てるか分からないけど声掛けてくる人なんていないいない」 「……ほぉー、いないなら安心だがそうもいかないんだよね。翼は可愛いからダメ男ホイホイについて行きそうで心配で心配で」 「また、そうやってからかう」 ふふふ、と笑ってると、“からかってねぇよ”とボソッと言っていた事も周りの雑音と電車の音で消されてはっきりと聞こえなかった。 「とりあえず、ここから動いたらダメだからね」 「はーい!待ってるねー、行ってらっしゃ──い!!」
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