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「それから、この子、怖いおっさん嫌いなの。ナンパ?ナンパだよねぇ?ナンパも止めて下さーい」
「ナンパじゃねぇよ!!俺の女になったんだよ!お前顔はイケメンだけど俺が先だからお前あっちいけよ!!」
腕組みをしながら、呆れ気味に目を逸らして鼻でフッと笑ってキッと睨む。
「な、なんだよ……」
男は、タジタジしている。
「いつからあんたの“女”?この子あんたと付き合うって言ったの?言った?」
若葉は、視線だけ私に向けて私は首事ブンブンと振る。
「……あー、残念だね、あんた」
「あん!?さっきから何言ってんだよ!!」
“何、言ってんだよ”にカチーンときた若葉が鞄を片手に持ってもう一度男に殴りつけようとし時に若葉とその男の間に入る。
「わっ、若葉っ!!鞄でそんな事しちゃダメだよ!!」
「は──?なんで──?すっげぇ、イライラすんだよ。2つ食らわしてもどうて事ないだろ」
「そういう事じゃないでしょ!?」
「え?何?こいつにナンパされてこいつに触られてんのにこいつの事庇うわけ?」
「庇ってないから!!大事になったら大変でしょ!?」
更にキッと男を睨む。
「俺さ、あんたの顔どっかで見た事あって思い出したんだけど色んな女に手を出しててしかも、年下狙ってる噂が結構拡散されてる。知ってる?まぁ、自分の噂が耳に届く事もないだろうからあんた本人は知らないと思うけど、んで、次は、“うちの子”狙ったってわけだ……」
「…………」
サラッと嫌味も含めて言ったな……若葉……
「そんなのデマだ!!俺はこの女が好みなんだよ!ほら、行くぞ!!」
と、私の手首を掴む。その上に若葉の手がその男の手首を掴んだ。
「い、いてぇな!!」
「いい加減にしろよ、おっさん。この子迷惑がってんのが見えねぇのかよ。あんたの声のボリュームが煩すぎて周りに見られてんの知らねぇの?歳をとると声が上がって大変だね。小さく喋られない?怒鳴るの止めた方がいいよ、おっさん」
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