第二十六章 転

3/9
前へ
/223ページ
次へ
 そして、立哉が仕事に行くと、モーニングの時間も終了になる。だが、続いてランチの用意をしなくてはならない。 「安在さん、オムレツ。俺が作りますよ」 「いや、佳樹はスープと水を頼む。もう水の在庫が無くて…………」  水はサービスで出している他に、商品でも出していた。そして、商品の棚が空になっていた。 「随分、売れましたね…………」 「竜王の水だからな」  竜王の水が、安価で買えるというのは、凄い事だと安在は言う。だが、元は水道水なので、これでも高いのではないのかと心配になる。  そして、ランチの時間が始まると、月森も店が心配なのか帰って行った。 「佳樹、サラダも頼む」 「わかりました!」  サラダも陽洋の人気商品で、最近、特大のパック出した。それは家族用だったのだが、主にOLがランチとして買ってゆくようになった。 「佳樹、パンが不足する」 「パン屋に注文してありますので、取りに行ってきます」  そして、安在が接客からコックに担当変更したので、俺は随分と楽になった。  ランチはテーブルに品物を運ばずに、出来上がったものをカウンターで渡す方式に変えたので、俺も厨房に専念できる。そして、レジは陽子、受け渡しは塩家が担当していた。 「パンを取ってきます!」 「はい!行ってらっしゃい」  俺はパン屋まで走ってゆくと、出来上がっていた品物を受け取り、急いで陽洋に戻った。すると、満里子も店を手伝っていた。 「満里子、学校は?」 「今日は午前で終わり。ランチを食べようと思って寄ったら、ママに捕まってしまった」  陽子は、まだ満里子が見えていないが、全く問題はなく、気配で察知して接するようになっていた。 「満里子、お喋りしていないで、早く運んでね」 「はい!」  陽子は満里子の声も聞こえていないのだが、会話が成立しているので不思議だ。 「あ、吉見さん。賄いは、まだ少し先ですよ」 「いえ、今日は、この後に予約が入りまくっていてね…………ランチと、夜食と朝食も買って帰るつもり」  それは、徹夜という事だろうか。

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加
広告非表示!エブリスタEXはこちら>>