第一話「出会い」

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第一話「出会い」

とまどいつ その重たさが 心地よく     つい乗り越した 君の隣で 悠然と 煙くゆらす 変な人   でも気になって つい盗み見る 手を引かれ 裏の塀まで 来てみれば    馬になれとは なんとお転婆(再掲) 降りれぬと 恥らう君が かわゆくて  開いているよと    からかってみたくなる(再掲) 「彼氏では ない」と言い切り    振り払う     でも笑顔なら 僕はいいんだ ぷんぷんと 怒る君が かわゆくて      つい悪戯を してしまう吾 なにゆえに   そう彼にのみ つっかかる      心開かぬ それが気がかり 『初めて』を   弾いて君に 聞かせたい     素直に思った 初めてのこと セピア色 差し込む夕日 講堂で   あなた奏でる 『初めて』の調べ(再掲) 絆創膏 シップに並べ 笑み交わす     後部座席は “いつもの席に” 落ち葉けり 髪を揺らせて 振り返る     彼女の笑顔に 彼もはにかむ 心地よい 風に吹かれて かたくなな      吾の心も ほぐされてゆく 君にだけ なぜか素直に なってゆく    揺れる自分を わかってくれる 友などは 作らぬものと 決めていた     君にこうして 出会う前には(再掲) ひとときの 安らぎもまた 現実を     つきつけられて 一人夕暮れ   ほんとうは   誰かに知って 欲しかった      父なき者の 心もとなさ  父求む 淋しさ辛さ 切なさを    分かる君なら 言ってみようか
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