第3話「運命の人」

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第3話「運命の人」

誰かしら   呼んだ気がして 振り向けど     彼の姿なく むなしく帰る 現場の(その)横を   バス通り過ぎ ざわめきも      胸に届かず まさか彼とは なんとして   ゆってやろうと 歩みつつ     思いあぐねる 溜め息の朝(再掲) 仕方なく 扉を開あくと 友どちは      彼は逝ったと 涙に暮れて(再掲) 平気なの? 涙流さず ひどい人   あなたのせいで 彼は逝ったのに(再掲) 彼はもう 影の国の 住人と    メッセージ聞き 思い知らさる 十年後 座るいつもの 後部座席     隣の人は いないのだけど 幸せが もうすぐそこに 来るはずの      安らぎのとき 嵐の前の まさか…と 歩みを止めて 街角で     彼に似た人 目で追いかける 初雪を 見上げ微笑み 歩み来る     その人確かに あの人だった 何もかも 忘れ夢中で その人を     探しさまよう 雪舞う街を 母にさえ 本当のこと 言えはせぬ      忘れえぬ人 心にいるとは 初雪が  見せた儚い(はかない) 夢なのか      諦めきれず 街を漂う いつまでも 君を離さぬ 彼のこと   思い出になるまで 共に待つから 火の中に あなた微笑む 絵をくべて    さよなら告げる 前を向くため 懐かしき 調べも今は 厭わしく    それを聞くとき 君に逢うとは(再掲) 今日だけは いつもの席に 座れない   今は彼のこと 思い出したくない はめ込んだ 最後のピース その時に     思いもかけず 彼の人現る
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