文色

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文色

夕闇の  文色(あいろ)も見えぬ   公園に  侘びしさかこち          紫煙を吐く者 「名著にある美しい日本語」より 「文色(あいろ)」 (P12) 文色とは、 模様、ものの形のこと。 「分からない」や 「見えない」を下にともなって、 ものの見分けや区別がつかない という意で使われることが多い。 輝きと暗さとの切り替わりに、 ものの色も形もたちまち定かではなくなり、 霞むように景色に溶け込む時がある。 その感覚を、 「瞬く間に物のあいろも見えなくなり」 という言葉で表現している。 つまり、「あいろ」とは、 色だけでも形だけでもない 文(あや)と色のことで、 独特の日本語である。
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