1人が本棚に入れています
本棚に追加
文色
夕闇の 文色(あいろ)も見えぬ
公園に 侘びしさかこち
紫煙を吐く者
「名著にある美しい日本語」より
「文色(あいろ)」 (P12)
文色とは、
模様、ものの形のこと。
「分からない」や
「見えない」を下にともなって、
ものの見分けや区別がつかない
という意で使われることが多い。
輝きと暗さとの切り替わりに、
ものの色も形もたちまち定かではなくなり、
霞むように景色に溶け込む時がある。
その感覚を、
「瞬く間に物のあいろも見えなくなり」
という言葉で表現している。
つまり、「あいろ」とは、
色だけでも形だけでもない
文(あや)と色のことで、
独特の日本語である。
最初のコメントを投稿しよう!