いろは 順

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いろは 順

(い) 今はただ 彼女の幸を 祈るのみ       守ってほしい 大切な人            >弟サンヒョクへ   (ろ) ロビーには   あなたの姿は 見えなくて   飛行機はもう 飛び立ちましたと  (は) 初雪の 日には誰と 何するの    そんな問いかけ デートの約束 (は) はれやかに 「覚えています?」と   問う君と     何の因果か 三度逢うとは (に) 憎くても なお愛(いと)おしい    わが父よ    ほんとに彼は あなたの息子? (ほ) 本当は あなたのために 着たかった 悲しみ募らす 純白(ましろき)ドレス (ほ) 頬を打つ 掌よりも 痛いのは  「そうだ」と言った あなたの言葉 (へ) 平気なの? 涙流さず ひどい人   あなたのせいで 彼は逝ったのに (と) 友達と 言いつつ心を 打ち明けぬ       二人は結局 誰の味方か        >ジンスク&ヨングク (と) 友などは 作らぬものと 決めていた    君にこうして 出会う前には (ち) 違うのよ 私が彼を 好きなのと     君の言葉は 聴きたくないよ (り) 凛として 思いのたけを 話す人 彼女の真実(まこと) 見た思いして (ぬ) 温(ぬく)もりを   知ってる奴が 妬ましく    異母弟(おとうと)ならば        なおさら憎い (る) 留守録を 消してしまって 涙する     素直になれぬ 自分がつらい (お) 怯えるは 荒ぶる冬の 嵐にか     それとも揺らぐ 我が心にか (わ) 私にも 初恋だったの 知っていた?    それにほんとに 愛していたの (か) 彼の国の ごはんはどうして   炊くのだろう      米を研ぎつつ 考えてみる (よ) 嫁ならば 言い訳すること 許さない   それならなぜに 問い詰めるのか          >姑チヨン (た) 立ち昇る 煙とともに 香るのは      今も恋しい 父の匂いよ (れ) 恋々(れんれん)と   留まる私を 叱るのね      誕生日まだ 覚えているの (そ) そんなはず ないのになぜか   予感して   振り返ってしまう あなた捜して (つ) 強くない お酒を飲めば 彼のこと      忘れて友に 戻れるかしら (ね) 妬ましい   どうしてみんな あの子なの     私を好きに なってくれない (な) なんとして ゆってやろうと   歩みつつ     思いあぐねる 溜め息の朝 (な) 懐かしき 調べも今は 厭わしく    それを聞くとき 君に逢うとは (ら) ラジカセに テープを入れて 再生す      涙が溢れ 止め処なく落つ (む) 向こうから 自転車に乗り   やって来る     あれはいつかの あなたと私 (う) 後から あなたの後を 一歩づつ      たどる嬉しさ 贈り物手に (え) 縁深き 愛した人の 娘なら     想い通ずと 許せばよいのに (の) 望むなら 別れてやると 言う人よ  何様のつもり! むかっ腹立つ!! (お) 降りれぬと 恥らう君が かわゆくて   開いているよと       からかってみたくなる (く) クッションを 並べる君を   見ていたら    差し出された手 握りたくなり (や) やましさを 覚えつつも 話せない     君をあいつに 渡したくない (ま) 迷いつつ でも決めました   フランスへ     あなたを追わず 私は旅立つ (け) 懸命に 台詞を稽古 する声は      記憶がなくも 我の声なり (ふ) 二人きり 微笑み交わす 放送室    初めてなんだ デートに誘うの (ふ) 冬の海 夏の名残を 集め来て     腕いっぱいの 思い出つくる (こ) ごめんよと 君にくちづけ 別れ告ぐ 鈍色(にびいろ)の海 思い出投げて (て) できるなら 全ての事を 忘れたい       君を失い 辛すぎるから (て) 手を引かれ 裏の塀まで 来てみれば    馬になれとは なんとお転婆 (あ) あの日から   あなたを忘れず 生きてきた   もういいですか? 幸せになって (さ) さげ髪を 結びしころに 逢ふたなら      我は彼に 恋したらうか (き) きらきらと 煌く水面 見つめても     あなたの目には 何が映るか  (ゆ) 許されぬ 人ならなぜに 逢ったのか        深き縁を 恨む心も (ゆ) ユジナアと 書類を眺め 言うあなた     忘れえぬ人と 同じ呼び方  (め) 目を開き 心を開いて 見てほしい    この世はこんなに 美しいから (み) 見えずとも 掌(てのひら)のここち     嬉しくて      君の笑顔を 胸に描けり (し) 仕方なく 扉を開あくと 友どちは      彼は逝ったと 涙に暮れて (し) 幸せは 今を一途に 生きること     離れていても あなたと共に (ひ) 日を浴びて 眩しい雪の 真白さに       心洗われ 愛しさ募る (も) 燃え落ちた 写真の主を 知りし時      僕は奈落の 底に落ちたり  (せ) セピア色 差し込む夕日 講堂で   あなた奏でる 「初めて」の調べ (す) 好きだよと   告げることも できないで    会えなくなった 十七歳の冬
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