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星とお喋り 2
今日は、上着や靴を庭へ放ってはもらえなかった。
自室で静かに過ごしていたつもりだったけれど、何が気にさわったのだろう。
殴られたり、罵られたり、怒鳴られたり、ひっぱたかれたりはしなかったから、ラッキーな方だ、と思えて、機嫌よくお気に入りのアーティストの歌を掻き消えそうな声で口ずさむ。
機嫌が良くなかったのだろう。
だったら、仕方がない。
私のことを家から追い出すことで、少しでも気分が晴れるのであればそれは良いことだ。
さあ、小学校についた。
正門は閉まっていて、鍵がかかっているけれど、裏庭の松林の木々の隙間から中に入れることを私は知っている。
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