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「え?瑠璃?ほんとに瑠璃?」
待ち合わせに5分ほど遅れて現れた私の顔を、京香は瞬きを忘れて見入っている。私はコクリと頷いてから聞き返す。
「どう?そこそこいいかなあ?」
遠慮がちな声音を出してみたが、本心は遠慮などかけらもない。誰にも負けないような堂々とした声で問いかけたかった。
聞かれて京香は、ほんのすこし戸惑いの色をにじませた目を向けてきたが、すぐににっこりと笑って私の手を取った。
「すっごくかわいいよ、瑠璃。目しかやってないのにこんなにも変わるんだね。いいよ、かわいい。それに表情が明るくっていい!」
ありがと、と声を弾ませて京香の腕をとる。真昼の太陽のきらめきの下で、私はなんの引け目も感じずに京香と並んで歩き出す・・
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