必要のない重ね着

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「私がミルクティー好きだって知ってるって、それって私を見ていてくれてる証拠でしょ?嫌いだったらそんなことどうでもいいもんね。須藤さんも私のこと好く想ってくれてる・・だったらなんでメルアドとか教えてくれないの?飲みに誘ってもOKしてくれないの?」  何度か・・須藤さんにメルアドを教えてほしいと言った。  よかったら今度飲みに行きませんか、とも言った。何度目かにはララの飲み会に来ませんか、と間口を広げて誘った。  それでも須藤さんは・・私の欲しい答えはくれなかった。  何かしらの接点をもてばきっと心は接近していく。気持ちは通じる・・  だが必死の努力は報われなかった。余計に、気持ちがのめり込んでいった結果が、今この場にいる私、なのだ。 「結婚はしてないんでしょう?」 「まだしてないけど、結婚相手はいるんだ。来年あたりにしようかって、言ってる」  私は目を見開いて、隣りに座る須藤さんの横顔をにらむようにして見つめる。その視線に真っ向から挑むような眼差しを返してきたが、その後寂しそうな視線を宙に向けて言った。 「オレは・・中学の頃の夕暮さんのほうがいいと思うな・・」 「えっ?」
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