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第21話 天神様と初めての討伐③
私の目の前に来たのは……棒のような武器を持った小鬼。
生きている。
非常に醜いが……きちんと生きている存在だ。
これを……倒さなくてはいけない。
聖樹石を得るためだとは言え、無駄な殺生を……と以前の私だと思ったかもしれないが。
今の私は『ミザネ=プラハド』。
天神でも『菅原道真』でもない。
人間でもないが、生きている存在には変わりない。
だから……ここは避けて通れない道だ。
短剣を構え、私は……棒を振りかざそうとしていた小鬼の間合いに入った。
「はぁ!!」
「ギャー!?」
首をいきなりはねるのは無理だったが。
急所である首筋に……深く刃を刺し、肉の感触を感じながら引き裂いた!
紫の血飛沫が上がる前に離れれば、小鬼はすぐに命が尽きたのか……倒れた。
それから……二度と動かなかった。
「……やった」
命を奪ってしまった。
神としてなら……無情の感情があっただろうが。
今は精霊の身。
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