第21話 天神様と初めての討伐③

1/3
前へ
/243ページ
次へ

第21話 天神様と初めての討伐③

 私の目の前に来たのは……棒のような武器を持った小鬼(ゴブリン)。  生きている。  非常に醜いが……きちんと生きている存在だ。  これを……倒さなくてはいけない。  聖樹石を得るためだとは言え、無駄な殺生を……と以前の私だと思ったかもしれないが。  今の私は『ミザネ=プラハド』。  天神でも『菅原(すがわらの)道真(みちざね)』でもない。  人間でもないが、生きている存在には変わりない。  だから……ここは避けて通れない道だ。  短剣を構え、私は……棒を振りかざそうとしていた小鬼(ゴブリン)の間合いに入った。 「はぁ!!」 「ギャー!?」  首をいきなりはねるのは無理だったが。  急所である首筋に……深く刃を刺し、肉の感触を感じながら引き裂いた!  紫の血飛沫が上がる前に離れれば、小鬼(ゴブリン)はすぐに命が尽きたのか……倒れた。  それから……二度と動かなかった。 「……やった」  命を奪ってしまった。  神としてなら……無情の感情があっただろうが。  今は精霊の身。
/243ページ

最初のコメントを投稿しよう!

164人が本棚に入れています
本棚に追加