第1話 天神様のお仕事

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第1話 天神様のお仕事

 今日も今日とて、参拝してくる人間は数多くいる。  私も、もとは人間だったが……それははるか昔。  太平の世となった今より……はるかに昔のことだ。  経緯は色々あったが……今の私は、『天神』とも呼ばれる神の一端と言う存在だ。  人間は貪欲の塊とも言われているが……私とて、人間だった時は神に縋りつきもしたさ。  その神の一端に、己が成るとは思わなかったが。 『……穢れがまた溜まっているね?』  社の一角……絵馬などの、願いが集まる場所。  その場所は……定期的に穢れが溜まってしまうのだ。  今の人間らには、基本的に霊力があまり無い。  多少はあれど、気づかず力を発揮しない者がほとんどだ。  だから、この社の神自身である私が祓わねば。  気に入りの扇子を持ち、その場で仰いだところ。  何故か、いつもとは違って……一陣の風が吹いたのだ。 『……くっ!?』  私が吹き飛ばされる?  穢れが思った以上に……濃く溜まっていたのか?!  確認しようにも、風は私を吹き飛ばした。  本殿まで飛ばされるかと思ったのだが……何故か、途中で意識を失っていた。
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