第98話 国王と安心

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 思い出せないようで、私もいい加減力をゆるめて周りを見たが。半分物置状態になっているこの場所は……古い道具の集まり場所でしかない。  だが、ところどころに……先ほど起きた光ほどではないが、小さな光がちらほらと見えた。  その光の粒に……どこか見覚えがあった気がした。 「……『貴女』達は」  思い出した。  粒が、だんだんと……小さなフェアリーの形に見えた時に、少しずつ、思い出せた。  ここを寝床にしていた、大事な……我が国にとって、欠かせない存在を。 『……忘れないで』  その一言は、淡い光のようだったが。  私だけではなく、レインにも聞こえていたようで……強く頷いていた。 「……誓います」  いにしえより存在していた、我が国の守護達よ。  何故、忘れていたか。  何故、あのような光を放ったのか。  レインは無事だったが……何かを託されたのか。  粒は消えて……窓を通じて、外へと出て行ってしまった。  居場所を変えるのだろうか?  私達王族の目に、無闇に写らぬように。  そう思うことしか、出来なかったが。
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