空のクジラ

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 小さい頃、私はクジラと友達だった  クジラは空にぷかぷか漂って  いつも私を見つめていた  道端で、教室で、ジャングルジムの上で  私とクジラは、色んなおしゃべりをした  昨日見た夢、おいしかったおやつ、私たちだけの物語の続き  時に笑い、時に悲しみ、時に怒りながら  私たちは語り合った  でもいつの頃からか  クジラは姿を消してしまった  どんなに空を見つめても  そこには白くてぽっかりとした雲が浮かんでいるだけ  また話そうよ  そう呼びかけてみても  返ってくる言葉はない  だけど私は信じている  クジラが、今日もどこかで誰かとおしゃべりしていることを  どんなものにも縛られず  自由な空を泳いでいることを
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