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「夜更かししちゃったんですよ。寝坊したのを起こしてくれて、時計まで迷惑掛けちゃって」
「いやだ~!夜更かしって、何してたのよ~?またイチャイチャしてたんでしょ~?」
「え!竹中さんどこから!?」
汐里と山村の会話を聞きつけて、パートの竹中が間に割り込んできた。
三人寄ってきゃっきゃと大騒ぎだ。
仕事中だということを忘れているのではないだろうかという勢いである。
店内に客はいなかったが、わいわいと賑やかだったため、店長の岡野が咳払いをした。
「ちょっと静かに!奥の事務所にいてもわいわい聞こえてるよ」
すみませんと三人は声を揃えて言った。
いつも威厳のない店長ではあるが、こういうときは存在感を表してくるのだ。
「(ふふふ。店長が知ったら泣くわよ~)」
「(林さんが彼氏と同棲してるだなんて、知らないもんね~)」
山村と竹中は、小声になっても嬉しそうだ。
「(でも私、け、け、結婚も決まってますし)」
顔を赤らめながら汐里が言うと、山村と竹中は顔を見合わせてニカッと笑った。
「林さん、顔真っ赤よ~?」
「ホント、照れちゃってる~!」
二人が再びわいのわいの言い出したので、汐里はまたしてもポストのように顔を赤らめた。
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