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シフトが終わる時間になり、他のバイトが帰った後、虎門は事務室に残される。
ただでさえ店長のことが苦手なのに、二人だけで話すなんて地獄だ。
どうせまた今日の失敗に対する説教だ。
「虎門。薬飲んだら落ち着くんじゃないのか?」
「一日じゃすぐに効果はでないって、朝も説明しました」
「そういうことじゃないだろ。何回同じ失敗するんだお前。三ヶ月目になってもまだ初日と同じ失敗を繰り返しているのが問題なんだよ。ほんと、そんな物覚えも要領も悪くてよく高校卒業できたな」
失敗したことは悪いけれど、これまでの人生否定されるのはどうなのか。
そんな権利が店長にあるのか。虎門は言いたいことを飲み込んでぐっとこらえる。
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