三ヶ月目も同じ失敗

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「俺がなんで怒っているか分かっていないよな、その顔」 「わ、分かって、ます」 「言ってみろ」 「失敗したから」 「違う。それもあるけど、そうじゃない! 分かってないなら分かってるなんて言うな!」  言ってみろって言ったから答えたのに。これはパワハラというものじゃないか。  怒号と共にふきんが飛んできた。  お茶を吸ったふきんは虎門の肩に当たって床に落ちる。 「失敗しただけじゃここまで怒らねえ! 失敗したのに反省する様子も、反省を生かす様子もないから怒ってんだよ! お前自分が悪かったと思ってないだろ」 「……思ってます」 「思ってるなら同じこと言わすな。ったく。そんなんじゃお前どこ行っても通用しねえよ。一年以上の職歴が無い時点で、雇うのやめときゃよかった」 (早く終われこの時間)  説教は一時間近くにわたり、仕事の時間よりこの時間のほうがよほど精神をすり減らした。  帰りの電車に揺られながら、ぐるぐると頭の中で店長の説教がまわる。
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