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社長はグーの音も出ないのか、俺ではなく専務に怒鳴った。
「専務! お前の監督不行き届きだぞ!」
「そ、そんな! いや、私は悪くないですよ! アイツの難くせが悪いんですよ!」
俺は社長と専務の間に立って、まあまあとなだめた。
そして、あらためて社長にお願いをした。
「さあ、謎かけはそれぐらいにして、乗っ取り対策の話をしましょうよ」
しかし、社長はいよいよおかしくなって、アッカンベーで返してきた。
「い・や・だ!」
専務もいよいよおかしくなってきて、ハイテンションで囃し立てた。
「きみ~、社長が『い・や・だ!』とおっしゃられているよ!」
俺はもういい加減にしてくれと、ため息交じりで呟いた。
「謎かけなんて、あとでいくらでも出来るでしょう?」
すると社長の目がキラーンと光った気がした。
「ほ~、言ったな~。謎かけなんて、『いくらでも』出来ると言ったな~」
「言いましたが、なにか?」
社長が俺に向かって顔をズイッと近づけてきた。
「じゃあ、聞かせてもらおうじゃないか。君の謎かけを」
「え~!?」
「あ~あ。あれだけ社長に盾ついたからね。偉そうに言ったからにはそれなりのものを見せてもらわないとね~?」
「マジッすか~?」
「もし、きみの謎かけに私がギャフンと言わされようものなら……」
「ものなら?」
「きみに、社長の座を譲ろうじゃないか!」
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