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第二話 保育園時代
僕はこの15年という短い人生で、保育園時代が1番好きだ。なぜって?答えは簡単。無邪気で、世の中にまだ知らないことがたくさんあって、毎日毎日自分が知らないことについて学んでいく。変わらない日常だけど、そんな日常が当時の僕にとっては、とても刺激的だった。
3歳になった春、僕は母親が仕事に復帰するため、保育園に預けられることになった。そこで僕は、はるあきという少年に出会う。春に”はるあき”。運命的な出会いを感じたのかもしれない。当時の僕はその頃から大きくて頼もしかったはるあきに毎日毎日引っ付くようになり、朝、保育園に行けばすぐにはるあきと行動を共にした。気づけば他の男子もはるあきの周りにに集まって来ていた。朝から晩まで遊び尽くす。当時の僕に、保育園にいた時が一番楽しかったんだよと言いたいくらい、毎日通うのがとても楽しかった。
そんな僕の保育園時代の生活は、
7時:起床、朝ごはん
7時半:家を出て母が自転車を漕いで僕と妹を保育園に送る
8時:保育園到着、と同時にブロック遊び
9時:室内遊び(折り紙、ブロック遊び、絵本など)
10時:外遊び(園庭で鬼ごっこやかくれんぼ、砂場遊びなど。夏場はプール)
12時:お昼ご飯(毎日出来立ての給食が出る。好き嫌いなく全部食べていた)
13時:お昼寝(アリーナでみんなでお昼寝。年長だけは小学校に向け、簡単な勉強をする)
14時:散歩(近くの公園へ遊びに行ったり、遊べる施設に行ったりしていた)
16時:室内遊び(内容は9時の際と同じ。しかし、アリーナも解禁され、各々が自由に過ごして親の迎えを待つ)
19時:母が迎えに来る(うちは母が働いていたため帰りが一番遅かった)
20時:夕飯
20時半:お風呂
21時:就寝
今振り返ると遊んでばっかりだ(笑)。この他にも水曜日は水彩絵、金曜日は体育など、日によって変わるものもあった。
また僕は、小さい頃からそこそこ多くの習い事に通っていた。1歳から英語、3歳からピアノ、4歳からフットサル。どれも今はやめてしまったがその後の僕を形成していく上で大事な要素だったと思う。
保育園の頃の記憶で鮮明に覚えているものがある。それが年長の頃に行われた、フットサル大会。市内の幼稚園、保育園が合同で開催したフットサルの大会だ。総当たり戦で順位が決まる。うちの保育園の中で唯一フットサル経験者である僕は最前線でストライカーとして出場した。実力はというと、リフティング2回が限界だったが、周りも団子サッカーだったため、活躍することはできた。また、ゴールキーパーには背が高いはるあきを推薦した。はるあきは嫌がることなく、「よし、後ろは俺が守るからお前らガンガン攻めてこいよ!」と喝を入れてくれた。本当に幼い頃から頼もしい奴だ。
試合開始、と同時に僕がドリブルで敵陣に侵入して他の園児も前に走る。相手の園児はボールを持っている僕を狙って複数でボールを奪いに来るので、空いた味方にパス。そしてまた走って折り返しのパスをもらって最後はゴール。当時5歳の保育園児にこんな利口なプレイができるわけないと思われるかもしれないが、実際当時の僕は他の5歳児と比べて頭が良かったと思うので上手くこなせたのだと思う。そうして2連勝で調子良く勝ち上がった僕たちと最後に当たった相手は、この大会を開いた先生率いるサッカー経験者が多めの幼稚園。今までと同じ戦法で勝ちに行こうとした僕だったが、今回の相手はというと、1人しかボールを奪いに来ない。パスコースが無くて焦った僕は簡単にボールを奪われてしまった。その後、相手の素早いカウンターを食らって失点。そうして僕たちは何もすることが出来ず、敗戦。そうきやゆうと、他の女子たちもボールを求めて走ってくれたのに、何も出来なかった自分に腹が立った。僕は負けた瞬間に、人生で初めて、悔しさという感情を知った。何か腹の底から滲み出てくるような悔しさを知った。大会を通しての結果は2位。全4チームの中では良い結果だったがその悔しさは数日経っても消えることはなかった。
第二話はこれにて終了です。少し投稿が遅くなってすみません。これからは週2ペースでの投稿を目指して頑張ります!それでは次回の第三話でお会いしましょう!サラバッ!
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