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村娘、厄神。
厄神を祀る祠が置かれた神殿にて、三体の厄神は語り合っていた。
「またもイチゴに一本取られましたわね。」
「来年こそはスイが選ばれるのです!」
「さあ、それはどうだろうね。アンタ達みたいに、ずっと村に引きこもってるようでは難しいんじゃない?」
「ふぇ……ひ、酷いのです……。」
「とはいえ、貴方は毎年上手いことやってのけるわよね。一年の間に彼女を捕まえて、村へと誘い込む。それからイチゴは生贄として喰われたフリをして、本当の生贄は山を降りたように見せ、山を降りて新たな獲物を探す……中々です。」
「二人も私ほど頭を使った上で行動すればいいのに、本当に馬鹿なんだから。」
「か……鹿護村だけに……!?」
厄神達の談笑は、その後も続いたという。
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